Cycle Oregon 2007: October 2007アーカイブ
Map day 7
とうとう最終日の朝を迎えてしまいました。長かったようにも、あっという間だったようにも感じられた8日間。最後のサイクリングはクールダウンを兼ねて、軽めに走って気持ち良くゴールかと思いきや、コースマップ見てみると4,000feetの峠越えがしっかり入ってるっ!コースクローズとPortland行きの最終バスがどちらも午後3時頃までとなってるんじゃ、感傷にひたりつつのんびり走っている訳にはいきません。何よりも、Portland行きのバスを逃したら日本に帰れないってことなんだもの。ひどーい。1週間のテント住まいでずっとお隣だったおじいさんと、そして最後の日になってようやく再会を果たせたMr.ベルリン(仮名)それぞれと、またいつの日か再会することを誓い合ってRainbowを後にしました。私達の積もり積もった疲労度をまったく無視するかのように、街を出るとすぐに山道が待ち構えており、勾配も次第にきつくなっていきます。最初にプツンとキレたのは(あ)さんでした。「さーちーこー♪」と突然歌い始めたのをきっかけに、「あんた、さちこって誰よー!」とバトンを貰い受けた私が、中島みゆきメドレー、神田川、ピンクレディメドレー、竹田の子守唄...etc.をヤケクソで歌って、現実逃避へと走りました。歌っているんだかゼイゼイ喘いでいるんだか、山道を蛇行しながら走ってる日本人はとにかく怪しかったと思います。私の音痴気味なメロディーに合わせ、ノリノリで口笛吹いてるアメリカ人って陽気過ぎる!最初のODSに到達して自転車から降りる時には、心臓がバクバク音を立て、頭から湯気が出ているのが自分でも分かるほどヘトヘトになっておりました。山道で歌うたうのはもう止めにしようっと。最も勾配のきついスイッチバックに差し掛かった頃、Air Fridayのアランさん、黒い新型SarRdayの女性、青いTuesdayの熟年&熟女カップル、赤いPocket RocketのMr.ロドリゲス(仮名:Viva Bikefriday!の雄たけびを上げてたおじさん)、金色Air Fridayの男性 etc. と、bikefridayオーナーが自然と集まってきて、連なって走る場面がありました。笑顔でお互いを励ましあったのは楽しい思い出となっています。Rainbowを午前9時頃出発したという新井さんが私達に追いついてきた頃から景色が変わり始め、草木がまばらになったと思った瞬間、視界が開けて火山岩があたり一面に広がっていました。頂上のマッケンジーパスは噂通りの絶景で、火山岩を積み重ねて作られた展望台からは雪を冠った3sistersを見渡すことができました。出発地点で3sistersを初めて確認してから一週間が経って、再び間近に眺められたことに胸がいっぱいです。この時点ですでに感情のメーターが満タン方向へ振り切れてしまっていて、どの写真を見ても同じ表情で写っているのが我ながらコワすぎます・・・。豪快にダウンヒルをこなし、最後の体力振り絞って足を高速回転させると、"to Sisters, 1 mile ahead"の看板が目に飛び込んできました。5人揃ってゴール!8日間のうちに葉っぱが色づき始め、秋の気配を見せ始めたSistersへ無事戻ってこられました。「あと1〜2週間もすれば、オレゴンの夏はお終いなんだ。」新井さんが話していたこのひと言が印象に残っています。
「来年もまた来るでしょ?」と聞いてくれた人達に即答はできなかったけれど、、、また行くぞ、オレゴン!
おしまい。
Map day 6
"Today is Friday!"
半袖&レーパンで走り出しても良さそうなくらい暖かい朝を迎えました。出走してまもなくwater stopが設置されていたので、どうしてこんなに早く?と思っていたら、North Fork Willamette Riverに架かる屋根つきの古いwestfir bridgeがその近郊の観光スポットとなっている為、立ち寄ることとなったようです。サイクリングルートはこの日も山奥へと伸びていて、坂道をゆるゆる上がっていきます。途中、未舗装路がぬかるんで危険な箇所には必ずボランティアが1〜2人配置されていて、私達参加者へ注意を呼びかけてくれていました。サイクルオレゴン全般に渡って、こうしたフォローがとても行き届いていると思います。それなのに!そのボランティアの目の前でズルっとコケて、右半身泥だらけー。サイクルオレゴンでは危険回避の理由から、後ろから追い越しをする際には必ず "On your left." と声を掛け合うことをルールのひとつに揚げています。歩みの遅い私達は専ら言われる方だった訳ですが、コミュニケーションを図る上でもこのひと言は有効だったように思います。実際それをきっかけに会話が始まることが多かったですものね。峠を上りきったところでランチとなって、ずっと楽しみにしていた温かいバーベキューサンドイッチがこの日のメニューでした。山奥まで厨房付きのトレーラーを引っ張ってくることに問題を唱える人もいるかもしれませんが、温かい食事を用意してもらえるのってやっぱり嬉しいものです。私達日本人の間で話題になったおやつのひとつはペパロニ(サラミソーセージ)で間違いないと思っているのですが、この日のODSには、ペパロニの大袋を小脇に抱えて配り歩く女性(ペパロニガールと命名)がおりました。私の大好物なペパロニ。あんまりガッツキ過ぎてニキビ拵えちゃったのも今となっては良い思い出かな。。。鱒の養殖をしているCougar Dam近くには温泉があって、参加者も数ドルの費用で利用できるようになっていました。といっても、私達には温泉に浸かる余裕があるはずもありません。いつかはアクティビティを楽しめるくらいの余裕を持って臨みたいものです。その替わり、ダム湖でたっぷり時間を取って、様々なポーズを決めて写真を撮り始めました。そう金曜日には、Bike Fridayオーナーでお揃いのバイクジャージを着て走ろう!という約束になっていたのです。朝方通ってきた橋と同じく木製で趣のあるBelknap Bridgeが、Rainbowの街への入り口となっていました。最後のキャンプ地として選ばれたRainbowは、四方が低い山々に囲まれて、こぢんまりとして居心地の良いところでした。夕暮れ時、テントサイトの通路に佇んで薄紫色に染まっていく山々を眺めていると、オレゴン生活をこれまでやってこられた満足感と充実感で胸が満たされていくようでした。今年もマイペースな走りを見せていたアンカレッジのカップル(二人でお揃いの黒いpocket nueに乗っている仲良し夫婦)と、ここRainbowに来てようやくお話しする時間が持てました。お互いに笑顔で再会できたことに感謝。こうして顔馴染みが増えていくのはとても幸せなことだと思っています。転倒した際に泥で汚してしまった自転車をBike Cleaningへ持ち込もうとすると、すでに予約が400件も入っていっぱいだとか。雨に降られたり、ぬかるんだ道を走っていくことが続いていたので、考えることは皆同じだったようです。日暮れ頃になると人々がステージ周辺に集まってきて、熱気ムンムンの盛り上がりをみせ始めました。お酒が入って陽気にガハハとそこいらじゅうで盛り上がり、最後のキャンプ地を楽しむぞ!という心意気が伝わってきます。私達も負けじとビール&ピザを手に入れて芝生の上で寛ぎ、念願だったBike Gallery主催のBike Rodeoを見物しました。Cycle Oregonクラシックジャージを着ている者同士、"Nice Jersey!"とすれ違い様に声を掛け合うのもゾクゾクする程楽しかったっけ。
晩のステージで" JANE,JANE "のメロディーが流れてきてびっくり。歌詞は違っていたようだけれどメロディー聞いたらすぐに分かったの。
Map day5
目覚ましの音に起こされてすぐ外の様子を伺ってみると、細かい霧雨がしとしと落ちてくるのが夜目にも分かりました。あちゃー、ここにきてとうとう降られちゃったか・・・。どんよりした気持ちで朝ごはん食べて荷物のパッキングを終える頃には、なんとか雨足が弱まってきたので、ひと安心。でもこんな日は走らなくっても良いんじゃないかと内心思ってたので、仲間に「走りたくないビーム」を激しく送ってみても、悲しいかな、やる気と気力に溢れてる人達からは全く相手にしてもらえませんでした。ぐっすん。Dorena Lakeに沿って伸びるサイクリング道路を走っているうち、次第に私の気分も晴れてきたようです。この辺りは比較的湿度の高い地域らしく、木の幹は苔むして、シダ植物がたくさん生い茂っていました。このくらいの湿り気のあった方が、私達日本人にとっては体調にもお肌の調子にも良いようです。この日はキャンプ地Oakridgeでランチを取ることになっていたので、峠に至るまでの間、ODSが3カ所も用意されてました。ぶどうもスイカも甘みが勝っていてとにかく美味しい。Kirkland(COSTCO)印のペパロニがこれまたクセになる味で、ビールのおつまみ用にとジップロックに詰めてたくさん持ち帰ってたのはナイショ。サイクルオレゴン20回目にして初めてコースに取り入れられたという山道は路面が荒れていたものの、自動車を完全通行止めにしていたので、安心して走って行くことができました。豚の蹄のような形の峠をふたつ越えた4,700〜4,800feetの場所には高山植物が見事に咲き乱れていて、白い花のトンネルを越えた時には、思わずほぉっとため息が出てしまいました。Oakridgeに到着してお昼ごはんにありつけたのは午後2時を過ぎていたでしょうか。テントに籠ってうとうとしていると突然雷が鳴り響き、あっとういう間に雨粒がバラバラ音を立てて落ちてきました。さすがアメリカ、天気の急変もダイナミック。
この日どこかの山道を走っていたら、今年も白髭のワゴン隊長から何やら言われてしまいました。私の方を見ながら、バックがなんちゃらかんちゃら...と確かに言っていたようなのです。でも、私のヒヤリング力じゃまったく何のことか分からずじまいで、またもやボジションのダメ出しをされてしまったのだろうかと思ってます。去年のサイクルオレゴン中にきちんとフィッテングしてもらったし、特に問題なさそうなんだけどなー。
Map day4
Diamond Lake湖畔沿いに設営されたキャンプ地は雰囲気が良くて居心地が良かったものの、テント&ポーターサービスから食事テントまでの距離が遠かったので、徒歩での移動が大変でした。この日だけは自転車に乗って食事場所まで向かって、そのままサイクリングへ出発してしまおうということにして、パッキングを終えたスーツケースをテント前に並べて(←ボランティア向け出発したよの合図)から出掛けていきました。早朝の湖は、水面の至るところから水蒸気が立ち上って、なんとも幻想的な雰囲気を演出していました。この日は出発してからランチ場所まで長く緩い下り(45mile走って4,000feet下る)が用意されているとあって、穏やかな気持ちで軽快に飛ばしていきます。途中、猛スピードでCo-Motion他タンデム軍団が追い越しをかけてきたので、私達も続けとばかりに必死に足を回転させて捕らえたと思ったら千切られて・・・。メーカー種類雑多で構成メンバー様々なタンデム7台のトレインは迫力満点だったのではないかしら!?ランチを終えて出発すべくトボトボ歩いていると、カメラを肩に担いだ女性からマイクを向けられて何かと思えば、地方テレビ局(abc放送系列)の取材なんですって!本来は英語のしゃべれない私はカットされるところ、今回は添え物として画面に映してもらえることになって、(あ)さんが張り切ってインタビューに答えておりました。BikeFridayの本拠地があるユージーン近郊でその様子が放映された模様です。テレビデビュー@USの興奮もつかの間、午後からは急勾配の長くて辛い峠道が待っていました。気温が急激に上がって暑さ厳しい中、健脚なサイクリストが軽々と上っていくのを恨めしい気持ちで見つめます。道幅狭く九十九折に続く峠道は日本の景色と変わりがないようでいて、マッチョ達が豪快に身体を揺らして走ってる姿を見ると、あぁここはアメリカなんだなぁと思わされます。峠の頂上でNossa FamiliaのAugustoがfree ice mocaを振舞っていたので有り難く受け取って一気に飲み干すと、火照った身体に染み込んでいくようでした。ここから一気にダウンヒルかと思いきや、下りは10%を超える急勾配の上、路面状況が悪いということで厳しいスピード制限が敷かれてました。それでもパンク車が続出して、さらに追突事故で救急車が出動する場面もあったようです。最後のwater stopからキャンプ地Dorena Lakeまでの15mileを、@nakタンデム号&まきタンデム号&新井ロード号の3台で先頭交代しながら20mile/h超のスピードでドラフティング走行したら... Dorena Lakeに着く頃にはすっかり足売り切れ状態のバテバテ(^^; Dorena Lake地元住民が提供していたルートビアフロートとアップルパイを一心不乱にパクついていると、「また今年も出逢えたね。去年は君達とテントが近かったんだよね〜」なんて話しかけられたりしてびっくり。Dorena Lakeはユージーンに最も近いキャンプ地だとういうことで、Bike Fridayのスタッフ数名が訪ねてきて、ちょっとしたイベントが行われました。おルスさんとオレゴンで再会出来なかったのは残念だったけれど、Lynettさんに託したお土産のカステラはオルスさんの手にも渡ったようでした。夜中トイレに立った時に夜空を見上げると、あら、星が見えなーい・・・。
Map day3
Diamond Lakeに連泊するこの日は、自分達で行動のアレンジができるようになっていました。オフィシャルのコースとして、ランチ&water stop付きのクレーターレイク周回サイクリングが用意されていた他、ダイアモンドレイクを一周する比較的アップダウンの少ないコース、湖でスイミング(!)、シャトルバスで近くの街へ繰り出す、キャンプ地でのんびり過ごす休息日(何にもしない)etc.と、参加者が自由に過ごせるようになっていました。サイクルオレゴン2007の目玉はクレーターレイクということらしいので、お疲れ気味の私達も「それじゃ見に行ってみよう♪」とえっちらおっちら坂を上っていくことにしました。前日の長距離サイクリングの疲れが残っていて足が思うように回らない為、のんびり休み休み走ります。突然現れた茶色の大地に見とれていると、すでにクレーターレイクまで行ってきたらしいLynetteさんがびゅーんと降りてきて、私達に気付くや明るい笑顔で挨拶してくれました。その時撮ってもらった写真がBike Fridayのレポートに採用されてます。最後の6.0%の坂を上りきると、眼下には青い湖面が広がっておりました。断崖絶壁には手すりも柵も見当たらず、「落ちたら死ぬよ」の看板が恐怖を誘います。実際コワいし!この日のランチは、オレゴンへ旅立つ前から私達の間で話題になっていた "Hot baked potato bar" なのでした。「ポテトも悪かないけど、これがメインディッシュじゃエンジンの焚き付けにはならいよ!」とか、「サイクルオレゴンもチープになったよね!」などと言ってた割には、食べてみたら美味しくって。ホカホカのお芋にチリビーンズやチーズ、ベーコンにサワークリームとトッピングが充実していて、見事「オレゴン生活始まってから一番!」の評価を得たのです。午後からお洗濯しなくちゃいけないからそろそろキャンプ地まで下ろうかなどと話していると、下からゆるゆる上ってくるロングホイールのリカンベントタンデムが見えて... あっ、DoubleDayだ!ScottとRitaが上ってきたのが分かると、私達は二人のところまで夢中で駆けて行って、声援を送り続けました。自転車に乗れるようになってまだ1〜2年しか経っていないRitaを、Scottが必死に励まして湖まで上がってきたとのことです。自転車を降りた途端、お互いを抱きしめ合って労り合う姿は眩し過ぎました。すっかり当てられちゃったわ。キャンプ地へ戻り、水着姿の人とシャワールームで遭遇してギョッとしたり、お洗濯したり、湖畔でアイスクリーム食べたりホッドドック食べたり、Bike Fridayブースへ立ち寄ったり、Bike GalleryメカニックBrettさんのパンク講習会を覗いたりして、時を過ごしました。