Cycle Oregon 2007: September 2007アーカイブ

Map day2
La Pineの朝はとにかく冷え込んだのです。目が覚めた時、テント内の湿度が非常に高い状態で、寝袋とカバーが何やら湿っていてとても嫌な感じがしました。首周りが特別しっとり濡れてるのは、自分自身の熱気と吐き出した息が冷やされた為に、水滴が付いたのかと思います。下敷きをひっくり返したらそれこそ水滴が付いてて、、、。「あーん、このまま衣類と一緒にスーツケースへ収納するのイヤー!」って叫びたいところをグッと我慢。だって、キャンプ生活ってそういうものですよね、きっと。「お天道様の高いうちにゴールして寝袋干すのだ!」と固く決意して外へ出ると、、、うはぁー、自転車、凍ってるしっ!!後で聞いたところによると、やはり氷点下まで気温が下がったとのことでした。自転車についた霜を払い、だるまさんのごとく着膨れして走り出します。周囲を山に囲まれ、細い裸木が空に向かってひょろひょろ生えている景色(失楽園っぽいなぁと思ったりして)の中を、突き進んで行きます。やがていつしかハイウェイを走り、自動車と並走していくうちに、着ている物を一枚、また一枚と脱ぎ捨てていきます。パケットドロップといって、休憩ポイントごとに脱いだ上着等をキャンプ地まで預かってくれるサービスがあって、私達もほぼ毎日利用しておりましたが、ロード乗りのように荷物を持たない人々にとっては、とても便利なサービスなのでしょう。朝の寒さから一転して、ランチの後は暑さとの戦いとなります。汗をかく側から蒸発していくので、汗が滴り落ちる時の不快感や拭い取る手間は一切ないものの、ジリジリとした暑さが肌を焼いていきます。自ら水分摂取を心掛けていないと、すぐにでも干上がってしまいそうです。そうしてじわじわと体力が奪われていき、真っ直ぐに伸びるハイウェイはどこまでもどこまでも続くように思われるのでした。時間だけが過ぎて行く中、気持ちが焦ります。だって、早くゴールして寝袋干さなくちゃならないんですから。。。ハイウェイを右折する表示が見えてきて、これで自動車と並走する緊張感から逃れられるかと安心したのもつかの間。なんと右折したその先は、道が真っ直ぐ垂直に上って見えるのでした。周りからも「うへぇー」のため息が上がっていたようです。伝説に聞いていた「天国の坂」と、なんとオレゴンで出逢ってしまったのでした。何度も休憩を取り、まきさんから借りているGPSの表示を励みに少しずつ上って行くと、またその先に坂が立ちはだかって。。。同じペースで走る人々と「Almost there!」,「See you at the Widmer!」と声を掛け合ううちによやくゴールが見えてきて、キャンプ地Diamond Lakeに到着できたのはコースクローズ切り切りの午後6時30分でした。こんな時刻でもまだ明るくて温かで、辛うじて寝袋を干すことが出来ました。やれやれ。

Map day1
夜明け前に食事用テントへ向かい、ヘッドライトで照らしたCycle Oregonianを眺めつつオートミール食べてると、「んー、今年もオレゴン生活始まったのねぇ」の実感が沸いてきます。去年の「午前5時起床、5時30分朝ごはん、7時出発、ぐずぐずしてる奴は置いてくぜ!」の記憶に怯える(あ)さんと私は、手早く身の回りの支度をし、サイクリングの準備を進めていたのに、なぜか午前8時近くになっても出発する気配を見せないまきさん号。今年はのんびりモードへと方針転換した模様です。初々しい気分でスタートゲートを潜り、感触を確かめるようゆっくりと走り始めました。3 sistersを右手に眺めながら牧場地をいくつも進んでいくと、背後から次々に声が掛かります。肌の色、目の色、言語は違っても、お互いに気持ちは通じるもので、「Welcome to Oregon!」と気持ちのこもった声をもらうと、本当に嬉しい。嬉しさが全身に染み渡り、なんとも豊かな気持ちになります。後発の新井さんが早くも追いついてきて、3台でおしゃべりしながら走っていると、新築したばかりの豪邸がポツポツと現れ始めました。新井さん曰く、サンフランシスコに住んでいた人がリタイアした後に財産を売り払って、この辺りへ移り住んでくるのだそうです。自動車を15分も走らせればすぐに街へ出られる立地ということで、とても人気があるのだとか。軽井沢のごとくセレブな雰囲気の漂う街Bendで、最初のランチとなりました。5人で輪になって食事していると、笑顔で近づいてくる人がいて・・・あっ、アランさんだ!数年前にバイクフライデー軽井沢ミーティングでお会いしたときよりも、ずっとリラックスして多弁な印象です。私達を忘れずにいてくれたとのことで、思い出話に花が咲きました。初日のこの日、比較的軽めな行程の内にも細かなアップダウンがあって、@nak組は下りを猛スピードで飛ばしたかと思うとその余力で上りきるというムラの多い走りを繰り返しておりました。そしたらすっかりくたびれてしまい、キャンプ地La Pineに着いた時には息も絶え絶えな状態でした。夕食中に飲んだビールで完全に足が動かなくなった私はここで、ジ・エンド。体育館で行われるアランさんの講演「Tikitと環境の話」を聴きに行くという皆と別れてひとりテントへ戻り、午後8時にはバタンキュー。
そういえば、この日2カ所目のODS(rest spot)で、「絵はがき無料で出したげるよぉ〜」キャンペーンをやっておりました。何かを書きなぐってボランティアに葉書を託したところまでは憶えているのですけど、どんな絵柄だったでしょうか。両親は「とても素敵な絵はがきが届いたわよ!」と報せてきています。

ホテル内のレストランで朝ごはんをしましょうということになって巨大なパンケーキをおなかに収めてから、いよいよサイクルオレゴン出発地のSistersへ向かうことになりました。ポートランドに残って突発的緊急事態に備えるというGaryおじさんに見送られ、バスは出発しました。被っていた帽子を頭の上で大きく振り、最高の笑顔で見送ってくれたGaryおじさん。本当に良い人です。うつらうつらしながらバスに揺られること3時間。お祭りムードいっぱいのキャンプ地のど真ん中で下ろされた時、瞬間的に茫然自失となったものの、浮き浮き気分はすぐに伝染するようです。去年のようにダム湖の空き地に突如出現したテント村と違い、今年は設備の整った立派なキャンプ地にテント村が設えられて、素敵なリゾート地に来てしまったようです。しかもT&P(テント&ポーター)サービスのテントが新品ピカピカにリニューアルされていて気持ちが良いっ!バイクフライデーの受付デスクはすぐにみつかって、Lynetteさんからホームカミング記念グッズの折りたたみ椅子を受け取り、新作のジャージも手に入れたら気分はもうホクホクです。その後はオフィシャルグッズを買い求めたり、新井さんと落ち合って荷物を預かってもらったり、去年は手に入れられなかったEola Hillsの赤ワインを早々に予約したり、ビール片手にピザを頬張ながらライダーズミーティングに参加したりと、夕暮れ時をゆったりした気分で過ごしたのでした。翌日からのサイクリングを控えてどこか緊張感はあるものの、お祭りムードの高まってる初日って良いものです。

台風9号が猛威を振るってまさに関東直撃だったのを奇跡的に成田から脱出して、今年もポートランドへ降り立ちました。この日の国際便到着の第一号だったらしく、入国審査官も何やら慌てて着席したばかりの模様。無事に荷物を引き取り、税関を出ると、ポートランドは朝のひんやりした空気に包まれていました。空港のスタバで買い求めたコーヒーを手に持ちブルッと身震いひとつして、ホテルの送迎バンを待ちます。今年のサイクルオレゴンオフィシャルホテルHoliday Inn(Sheratonから格下げ?との噂多々あり)のバスがスルスルと近づいてきて、「いやー、大きなスーツケースだねぇ。重いねぇ。。。」の会話もいつもながらに工夫して積み込んでもらって、ホテルに到着。さっそくフロントと交渉して部屋へ入れてもらって一息ついて。待ち合わせの時間になったのでフロントへいそいそ降りていくと、そこには、一年振りの再会となるポートランド在住の新井さんが、私達4人を待っていてくれました。新井さんが運転する自動車に乗り込み、ポートランド観光へいざ出発!通販に力をいれてる地元自転車屋さん、LEATHERMANファクトリー、Bike Gallery etc. 我らが訪れる場所では必ずお金が落ちること落ちること...。ちゃりんちゃりーん。新井さんが自転車の峠練で通り掛かるたび気になっていたという地元密着型レストラン"Skyline"へ連れて行ってもらって巨大なハンバーガーとあふれんばかりのシェイクでおなかを満たします。ちょっとしたドライブインでも私の大好物であるクラムチャウダーをオーダーできるのがうれしいなぁ。そして次に訪れたのが、ずっと楽しみにしていたWidmer Brothersのファクトリーツアー!1週間のサイクルオレゴンツアーに帯同し、日ごと参加者に美味しいビールを提供してくれる会社が無料の工場見学を実施しているのです。ツアーは、DVD鑑賞と5種類のビールの味比べ、工場へ足を踏み入れて簡単な説明を受けるといった内容でした。少量のビールでもすっかりヘベレケ酔い気分となってしまったので、ダウンタウンで仕入れたコーヒーと日本から持っていったカステラを川沿いの公園で広げてコーヒータイム。この後、高台にある新井さんお奨めの夜景スポットへ連れて行ってもらうと、夕暮れ時の街並みと雄大な川の流れは思わず息を呑んでしまう美しさなのでした。ホテルへ戻ると、日本を発つ前に(あ)さんがメールでやり取りをしていたサイクルオレゴン事務局のGaryと偶然顔を合わせました。台風が猛威を振るって成田から飛び立てなかった場合の善後策として、(あ)さんが前もって4つのプランを事務局に提案をしていたのです。(あ)さん「無事にポートランドに着いたよ!」、Gary「おーっ、良かったな!心配してたぜ。どのプランになるのかドキドキしてたぜ〜。」ってな感じの感動のご対面となったのでした。

このアーカイブについて

このページには、September 2007以降に書かれたブログ記事のうちCycle Oregon 2007カテゴリに属しているものが含まれています。

次のアーカイブはCycle Oregon 2007: October 2007です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Cycle Oregon 2007: September 2007: 月別アーカイブ

Powered by Movable Type 5.2.7